環境構築(ネットワーク)
内部ネットワークの設定(server1, server2)
VirtualBoxのネットワークアダプターの内部ネットワークを使用し、仮想マシン間でのみ通信可能なクローズドなネットワークを作成します。
以下の設定をserver1とserver2に対して実施してください。
- 仮想マシンをシャットダウンしておきます。
- 仮想マシンのネットワーク設定を開きます。アダプター1で、NATを無効化します。
- アダプター2で内部ネットワークを設定します。名前はnetwork1とします。プロミスキャスモードはWiresharkでキャプチャするために必要なのですべて許可とします。
- 仮想マシンを起動してログインします。
- ネットワーク接続を開きます。アダプターの名前をnetwork1に変更します。ダブルクリックします。
- プロパティをクリックします。
- 演習で使用しないのでTCP/IPv6はオフにします。
- TCP/IPv4をダブルクリックします。固定IPアドレスを設定します。server1の場合は10.0.1.1、server2の場合は10.0.1.2とします。この時点ではデフォルトゲートウェイとDNSは未設定とします。
- コマンドプロンプトを起動し、ipconfigを実行します。アドレスとサブネットマスクが正しく設定されていることを確認します。
- 自分のアドレスにpingを実行して正常に応答があることを確認します。
- server1、server2について上記の設定を行ってください。
疎通確認
server1からserver2へ、server2からserver1へpingが通るようにします。
確認
pingは成功しましたか?
Wiresharkでネットワークに流れるデータを確認してみる
演習用ネットワークを構築する前に、ホストOSがつながっているネットワークにどのようなデータが流れているのかちょっと見てみましょう。
- ホストOSにWiresharkをインストールし、起動してください。
- ネットワークアダプターが検出されるので、ダブルクリックしてキャプチャを開始してください。
- 何も操作しなくてもネットワークに滝のようにデータが流れていくのがわかります。
職場のネットワークは多くのネットワーク機器が様々なデータを頻繁にやりとりしており、特定の通信のみをトレースして勉強するのには少しノイズが多いです。演習ではクローズドなネットワークを構築して特定のノード間での通信の振る舞いを観察します。
仮想環境へのツール類のインストール
以下のツールをサーバー、クライアントの各OSにインストールしてください。
Wireshark
ネットワークアナライザです。LANを流れるパケットを観察してTCP/IPに対する理解を深めるために使用します。
Stable Release の Windows Installer (64-bit) をインストールして下さい。インストール後は再起動が必要です。
Fiddler
プロキシ型のWebデバッグツールです。WiresharkはLANに流れるすべてのパケットを対象に解析することができますが、こちらはHTTP/HTTPSに特化しています。Web開発で便利な様々な機能を利用できます。
Download Fiddler Web Debugging Tool for Free by Telerik
emailアドレスを入力するとダウンロードが始まります。
サクラエディタ
とてもメジャーな国産エディタです。メモ帳ではできないことをいろいろできます。
Sakura Editor download | SourceForge.net
環境構築(クライアントOS)
環境構築(仮想化ソフトウェア、サーバーOS)の続きです。
仮想マシンのセットアップ(client1)
- VirtualBoxマネージャーで[新規]をクリックします。
- 仮想マシンの名前、バージョン、メモリサイズを入力します。ホストPCのメモリに余裕がある場合は大きめに設定してもよいです。
- ファイルサイズを指定しますが、20GBだと不安なので可変サイズで100GBくらいにしておけば安心です。
-
仮想マシンが作成されました。引き続き、[設定]をクリックします。
- クリップボードは双方向にしておくと便利です。
- 仮想マシンも快適に動作してほしいので、プロセッサー数は1つではなく2つくらいにしておきましょう。ただし割り当てが多すぎるとシステム全体のパフォーマンスが悪くなるのでやめましょう。
- ネットワークの設定は後で変更しますが、インストール時はNATを有効にしましょう。
- ホストOSと仮想マシンの間でデータをやりとりするために、共有フォルダを設定しましょう。
- IDEコントローラーを追加して、OSのインストールイメージ(ISOファイル)を仮想マシンのストレージに光学ドライブとして追加しましょう。※SATAに光学ドライブを追加しないこと。
- [OK]をクリックして設定を完了します。
- 仮想マシンを起動します。
- 設定が自分の環境にあっているかを確認して[次へ]をクリックします。
- [今すぐインストール]をクリックします。
-
[次へ]をクリックします。
-
カスタムを選択します。
-
[次へ]をクリックします。
-
インストールが開始します。
-
[カスタマイズ]をクリックします。
- すべてオフにします。
-
ローカルを選択します。
-
ユーザを作成します。
-
ログインします。
- VirtualBox Guest AddinsのCDイメージを仮想マシンに挿入します(VirtualBoxのメニューから デバイス > Guest Addins CDイメージの挿入)。これを入れるとホストOSとゲストOSの間でいろいろ便利な機能が利用できるようになります。
- VBoxWindowsAdditions.exeを起動してインストールします(すべてデフォルトでOK)。
- インストール後に再起動します。
- ログオンします。
-
左下のWindowsアイコンを右クリックし、[システム] を開いて、コンピューター名を変更します。
-
コンピューター名を設定後、再起動します。
Chrome, Firefoxのインストール
OSインストール直後はIEしか利用できませんが、演習では複数ブラウザを利用するので、ChromeとFirefoxをインストールしてください。IEはスタートメニューのWindowsアクセサリから起動できます。なお、Window 10 Enterprise ではEdgeは提供されないようです。WIndows 10で鳴り物入りでデビューしたブラウザなのに、なんだかなー。
「Edge」ブラウザ、「Windows 10 Enterprise」顧客の一部には提供されず - ZDNet Japan
環境構築(仮想化ソフトウェア、サーバーOS)
ソフトウェアの入手
以下のものを入手してください。
Oracle VM VirtualBoxのインストール
デフォルトインストールしてください。VirtualBox Networkingの機能は必要です(デフォルトでインストールされるはず)。
仮想マシンのセットアップ(server1)
- VirtualBoxマネージャーで[新規]をクリックします。
- 仮想マシンの名前、バージョン、メモリサイズを入力します。
-
ファイルサイズを指定しますが、20GBだと不安なので可変サイズで100GBくらいにしておけば安心です。
-
仮想マシンが作成されました。引き続き、[設定]をクリックします。
- クリップボードは双方向にしておくと便利です。
- 仮想マシンも快適に動作してほしいので、プロセッサー数は1つではなく2つくらいにしておきましょう。ただし割り当てが多すぎるとシステム全体のパフォーマンスが悪くなるのでやめましょう。
- ネットワークの設定は後で変更しますが、インストール時はNATを有効にしましょう。
- ホストOSと仮想マシンの間でデータをやりとりするために、共有フォルダを設定しましょう。
- OSのインストールイメージ(ISOファイル)を仮想マシンのストレージに光学ドライブとして追加しましょう。
- [OK]をクリックして設定を完了します。
-
仮想マシンを起動します。
- 設定が自分の環境にあっているかを確認して[次へ]をクリックします。
-
Standard Evaluationのデスクトップエクスペリエンスを選択して[次へ]をクリックします。
- [次へ]をクリックします。
-
カスタムを選択します。
-
[次へ]をクリックします。
-
インストールが開始します。
-
Administratorのパスワードを設定します。
-
ログオンします。
-
[いいえ]を選択します。
-
VirtualBox Guest AddinsのCDイメージを仮想マシンに挿入します。これを入れるとホストOSとゲストOSの間でいろいろ便利な機能が利用できるようになります。
-
VBoxWindowsAdditionsをダブルクリックしてインストールします。
-
インストール後に再起動します。
-
ホストキー+Delでログオン画面を表示します。うまくいかない場合はメニューから入力>キーボード>送信 Ctrl-Alt-Delを選択します。
-
[システム]を開いて、コンピューター名を変更します。
-
コンピューター名を設定後、再起動します。
- Windowsをシャットダウンし、仮想マシンのストレージの設定でOSのインストールイメージの割当を除去します。
Chrome, Firefoxのインストール
OSインストール直後はIEしか利用できませんが、演習では複数ブラウザを利用するので、ChromeとFirefoxをインストールしてください。IEのセキュリティ構成でダウンロードがブロックされる場合は、ブロックされたサイトを信頼済サイトに追加してください。
仮想マシンのセットアップ(server2)
server1のセットアップと同じ手順でserver2をセットアップしてください。
※server1をserver2に読み替えること。
※知識がある人はserver1の仮想マシンのクローンを作成し、コンピューター名を変更する方法でもOK。
演習用ネットワーク環境A
演習用ネットワーク環境A
以下のネットワークを仮想環境上に構築します。
network1
仮想環境内部で実現するLANです。VirtualBoxのネットワークアダプタの内部ネットワークを利用して実現します。このネットワークに接続したホスト間で通信することを目的としています。この内部ネットワークはインターネットやホストOSと直接接続していません。
server1
IISによってWebサーバーの役割を実現します。
server2
Webサーバー以外のサーバーの役割を実現します。DHCP、DNS、AD CSなどのサービスを提供します。
client1
クライアントPCの役割を実現します。
演習環境について
演習で使用するハードウェア・ソフトウェアは以下のものです。いろいろ書いていますが、高めのスペックのPCが1台と、インターネット環境があればOKです。
ハードウェア・OS
- Windowsパソコン(メモリ8GB以上、仮想化テクノロジー利用可能が望ましい、SSDが望ましい、Oracle VM VirtualBoxが動作できること)※MacでBoot Campを使用するのは本質的でない部分でいろいろ苦労するのでお勧めしません。
- Oracle VM VirtualBox(WIndows版)
- Windows Server 2016(評価版で可)
- Windows 10(評価版で可)
演習中に追加インストールするソフトウェア
- Google Chrome
- Firefox
- Wireshark(パケットアナライザ)
- Fiddler(Web Debugger)
- サクラエディタ
- Visual Studio Community
演習中に構成するWindows Serverの機能
- DHCP
- DNS
- IIS
- AD CS(Active Directory証明書サービス)